ソフトバンクグループの株式を保有する投資家グループが、同社ナンバー2のニケシュ・アローラ氏について内部調査を行うよう同社取締役会に求めていることが分かった。同グループは11ページに上る書簡で、孫正義社長が自らの最有力後継者候補に挙げているアローラ氏の副社長としての実績や適性に疑問を呈し、同氏の解任を検討するよう要求している。
要請はソフトバンク取締役会宛ての1月20日付の書簡で行われた。未公開の同書簡は、米法律事務所ボーイズ・シラー・アンド・フレクスナーから送られたもので、同事務所のパートナーであるマシュー・シュワーツ氏が署名している。投資家グループを構成する株主の名前や保有株数は明らかにしていない。
同書簡はアローラ氏について、利益相反の有無や過去に不適切な行為に関与した可能性、経営判断のまずさなどを挙げている。これとは別に、ソフトバンク傘下の米スプリントの取締役会に宛てた投資家一人からの書簡も、同様な理由でアローラ氏の取締役解任を求めている。投資家グループは両社の取締役会に対し、独立した企業による「内部調査」を実施するよう要求。「ソフトバンクとスプリントの取締役会がアローラ氏を執行役と取締役の職から解任する上で説得力のある根拠が独立調査によって築かれるとわれわれは考える」と述べた。
ソフトバンクはアローラ氏による不適切行為の疑いを否定。書簡は「身元不明の株主」による「根拠のない主張だ」とした。アローラ氏の投資決定が利益相反を伴う可能性については入念に調べており、同氏の経営能力を信頼していると説明。取締役会が書簡の内容を精査する過程にあるとした。孫社長は取材に対して文書で、「私はアローラ氏に全幅の信頼を置いており、1000%信用している。彼が将来もソフトバンクのために素晴らしいことを続けると承知している」とコメントした。スプリントはコメントできないとしている。
アローラ氏は、利益相反の可能性を伴う情報については、いかなるものも会社と共有するようにしてきたと説明。「私の実績が物語っていると思う。ソフトバンクでの18カ月間、私は常に会社を優先するよう努力してきた。これらの書簡コメントで事実に基づいているものは何一つないと考える」と述べた。アローラ氏(48)は2014年にソフトバンクに移籍。その前は米グーグルに10年間勤務し、営業担当のトップや最高ビジネス責任者などを務めた。
アローラ氏はソフトバンクに多額の個人資金を投じており、昨年8月には同社株600億円相当を購入する意向を示した。これは日本企業の幹部による自社株取得では少なくとも過去12年間で最高。ジェフリーズ・グループのアナリスト、アツール・ゴーヤル氏は、「アローラ氏のパフォーマンスをやり玉に挙げることは全く恣意的に見える。私は孫社長の判断を信頼したいと思う。アローラ氏は既に自社株取得によって自身のコミットメントを示している」と述べた。
ソフトバンクが5000億円を上限に自社株買いを行うと発表した今年2月15日以降、同社の株価は30%余り上昇している。昨年は出資先のスプリントとアリババ・グループ・ホールディングの問題が重しとなった。アローラ氏の入社以来、株価は約20%下落している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5YIQC6K50ZK01 同書簡はアローラ氏について、利益相反の有無や過去に不適切な行為に関与した可能性、経営判断のまずさなどを挙げている。これとは別に、ソフトバンク傘下の米スプリントの取締役会に宛てた投資家一人からの書簡も、同様な理由でアローラ氏の取締役解任を求めている。投資家グループは両社の取締役会に対し、独立した企業による「内部調査」を実施するよう要求。「ソフトバンクとスプリントの取締役会がアローラ氏を執行役と取締役の職から解任する上で説得力のある根拠が独立調査によって築かれるとわれわれは考える」と述べた。
ソフトバンクはアローラ氏による不適切行為の疑いを否定。書簡は「身元不明の株主」による「根拠のない主張だ」とした。アローラ氏の投資決定が利益相反を伴う可能性については入念に調べており、同氏の経営能力を信頼していると説明。取締役会が書簡の内容を精査する過程にあるとした。孫社長は取材に対して文書で、「私はアローラ氏に全幅の信頼を置いており、1000%信用している。彼が将来もソフトバンクのために素晴らしいことを続けると承知している」とコメントした。スプリントはコメントできないとしている。
アローラ氏は、利益相反の可能性を伴う情報については、いかなるものも会社と共有するようにしてきたと説明。「私の実績が物語っていると思う。ソフトバンクでの18カ月間、私は常に会社を優先するよう努力してきた。これらの書簡コメントで事実に基づいているものは何一つないと考える」と述べた。アローラ氏(48)は2014年にソフトバンクに移籍。その前は米グーグルに10年間勤務し、営業担当のトップや最高ビジネス責任者などを務めた。
アローラ氏はソフトバンクに多額の個人資金を投じており、昨年8月には同社株600億円相当を購入する意向を示した。これは日本企業の幹部による自社株取得では少なくとも過去12年間で最高。ジェフリーズ・グループのアナリスト、アツール・ゴーヤル氏は、「アローラ氏のパフォーマンスをやり玉に挙げることは全く恣意的に見える。私は孫社長の判断を信頼したいと思う。アローラ氏は既に自社株取得によって自身のコミットメントを示している」と述べた。
ソフトバンクが5000億円を上限に自社株買いを行うと発表した今年2月15日以降、同社の株価は30%余り上昇している。昨年は出資先のスプリントとアリババ・グループ・ホールディングの問題が重しとなった。アローラ氏の入社以来、株価は約20%下落している。