2ちゃんねる掲示板の創設者西村博之氏が出願していた文字商標"2ch"が、特許庁での拒絶査定の後に不服審判の結果、登録を認められた(西村博之氏が商標権を得た)件については既に書きました。その時には、もうひとつの出願である文字商標"2ちゃんねる"(商願2013-8081)については、審判の結果が公開されていなかったのですが、つい先ほど特許情報プラットフォーム上で閲覧可能になりました。予想通り、"2ch"と同じく、無事登録です。
文字商標"2ch"は、他人の周知商標に類似という理由で拒絶されたものの、2chという商標を周知にしたのは現運営ではなくほとんど西村博之氏であるということから、「"他人"の周知商標とは言えない」という理由により拒絶が取消されて登録となりましたが、"2ちゃんねる"についても同じパターンです。さらに言えば、出願日が"2ch"より早く、出願日時点では現運営にはまだ事業が移っていなかったので、「"他人"の周知商標とは言えない」という点は"2ch"のケースよりもいっそう明白です(。
"2ちゃんねる"は商標としては"2ch"より使える範囲が広いと思われますので、今後、西村博之氏がどうでるか興味があります。ただ、何回も書いているように、合意の下で事業を譲渡した相手に対してその事業に関する商標権を行使するのは権利濫用とされる可能性が高いのではないかと思います。かと言って事業譲渡は合意の下ではないという主張をすると他の裁判との整合性の問題が生じるのでそう簡単にはいかないと思われます。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kuriharakiyoshi/20160514-00057662/